過去の記事では、どんなカメラとレンズを購入すべきかという内容を書きました。
さて次は撮影時のカメラの設定を詰めていきます。
まずは記録方式を選択しましょう。
記録方式とは簡単に言うと動画の形式のことです。大まかには下記の3つを選ぶだけです。
■解像度
■フレームレート
■色深度
<解像度>
簡単に言うと一画面あたりのドット数です。これが大きいほど高精細となりますが、データ量が増えるのでPCのストレージを圧迫します。どの形式で記録するか、撮影前に決めておくことが大事です。形式の種類ですが、とりあえず覚えておきたいのは3つだけです。
・720p(横1280×縦720ドット)
SNSなどにアップロードする際はこの解像度が一般的です。720pで撮影できるカメラは最近は減ってきているので、出力時に720pに変換することが多いです。
・1080p(横1920×縦1080ドット)
通称フルHD。液晶TVなどはこの解像度のものがまだ多いです。またYouTubeなどの高解像度対応SNSにアップロードするならこの設定です。
・4K(横3840×縦2160ドット)
4K対応の液晶TVもかなり増えてきましたので、4K対応ディスプレイで見たいならこの設定です。また、YouTubeも4K対応していますので、高精細な映像をYouTubeにアップロードしたい場合はこれを選択します。ただ、4Kの映像編集はかなりPCのパフォーマンスを必要としますので、注意が必要です。現在使用中のPCで4Kが編集できるかどうか、一度テスト撮影して編集をしてみたほうが良いと思います。
<フレームレート>
動画はたくさんの画像を高速で表示させるパラパラマンガのようなものですが、フレームレートとは1秒間に何枚の画像を表示させるかという数字になります。この数字が大きいほど映像がヌルヌル動くようになり、低いとパラパラします。覚えておきたいのは4つです。
・24fps
少しパラパラ感があります。映画などは歴史的背景からこのフレームレートになっています。
・30(29.97)fps
一般的に目にすることの多いフレームレートです。古くはブラウン管TV、DVD、ブルーレイや民間放送などもこのフレームレートになっています。とりあえず迷ったらこれです。
・60(59.94)fps
一般的な30fpsの倍の情報が詰め込まれています。ヌルヌル感を出したいときや、スロー再生などを使いたいときにこの設定を使います。60fps で撮影しておいて30fpsで再生すると1/2倍の速度となり、違和感なくスロー表現が出来るというわけです。
・90以上のfps
60fpsを超えるとハイフレームレートと呼ばれることが多いです。ほぼスロー再生用途になります。120fpsで撮影すると1/4スロー再生が出来るので、激しく動く被写体などに非常に有効です。
<色深度>
色深度は色の情報量になります。動画は写真の30倍以上の速さで記録する必要があるので、ある程度画質を犠牲にしなければなりません。人の視覚は輝度情報よりも色情報に鈍感であるという性質を利用して、色情報量をカットすることで全体の情報量を減らし、動画記録をしやすくするという処理が入っています。これは実際あんまり覚えておかなくてもいいのですが、一般的に3種類の中から選択します。
・8bit
一般的に目にするデジタル映像はほとんど8bit映像になります。外部機器を使用しなければ8bitでしか記録できない機種がほとんどです。
・10bit
PanasonicのGH5シリーズのみ内部記録で10bitを実現しました。しかも4Kで!その他の機種は今のところ10bit撮影が出来ませんのであまり関係ないです。
・12bitRAW
スチル写真と同じ色情報量を持ちながら動画を記録できる機種もあります。スチル写真並みにグレーディング耐性がありますが、ストレージの圧迫は半端ないです。4Kで撮影すると1分の撮影で32GBくらい消費します…これは一般人には無理ですね…
いかがでしょうか。RECボタンを押す前に、今から撮影するシーンは色を大事にしたいのか、スローを使いたいのか、ヌルヌルさせたいのか、シネマチックにしたいのか、イメージしてからこの記録方式を選択し、撮影してみましょう。ちなみに私はときどき設定を戻すのを忘れてどうでもいい映像をスーパースローで撮ってしまうことが多々あります(笑)