スーパーファミコンソフトの電池交換をしてみた結果

先日大変お世話になっている大先輩から

「スーファミソフトの電池交換できる?」

と連絡がありました。

 

平成生まれの女子あたりはスーファミの存在すら知らないこともあるようですが

僕の世代は青春の中の多くの時間をこれに費やしたといっても過言ではない、

このスーパーファミコン。

僕はドラクエとか大人気ゲームはほとんどやったことがないのですが、スーパー競馬とかサラブレッドブリーダーIIなどの競馬ゲームに小学生の頃からなぜかハマっていました。大人になってからはほとんど競馬なんてやらないんですが…不思議なものですね。

 

 

小型化されたハードが再販されたり、中古ソフト市場もまだまだ賑わっていたりと、スマホゲー全盛の現在であってもなおユーザーの多いスーパーファミコン。

このソフトの電池交換をしてほしいというご依頼でした。

そもそもソフトの電池交換ってどういうことなん?って思いますよね。

ハードにはACアダプタで電源を供給していますが、ソフトも電源必要なの?って普通思うはずです。

ですが実は必要なのです。いや、正確に言うと必要なものもある!

セーブできる系のソフトはソフトに電池が必要なのです。

セーブデータはメモリのある領域に保存されるのですが、そのデータを保持しておくために電源が必要なのです。

しかし、任天堂さんも20年以上も愛され続けることになるなんて嬉しい予想外だったのでしょう。中古市場のスーファミソフトはこの素人には交換不可能な電池が寿命を迎え、セーブデータが保存できないという案件がかなり多いようです。

ということで、このスーパーファミコンの電池交換の1から10までをまとめてみました。お困りの方、参考にしてみてください!

まず、こちらがその電池交換をしたいソフト。

風来の「シレン」

やったことはありませんが、RPG系かな?セーブできないというのは致命傷になりそうです。一刻も早く直してあげましょう!

まずはこの特殊ネジを外していきます。

こんなところにネジあったんですね。小学生の頃はまったく気づかなかった。

プラスとかマイナスではなく特殊な形をしているネジなので、専用の工具を使います。ピンセットで無理やりこじ開けている人もいるようですが、失敗するとセーブどころか永久に開かなくなってしまう可能性があるのでお勧めしません。

僕はamazonで600円で購入しました。

 

ねじを外すとパカっと簡単に開きます。

このマイコンの中に僕たちの青春が詰まっていると考えると胸が熱くなりますね。よーく見ると「1993 Nintendo」と書いてあります。26年前製造ですね。すごい。

これが問題の電池部分です。maxell製のCR2032ボタン電池ですね。

これの交換品も購入しなければなりません。ダイソーとかにも売ってはいますが、ハネ付きのものを購入したほうが良いです。amazonで400円で購入しました。

それではまずこの立派に役目を終えたボタン電池を外していきます。

半田吸い取り線と半田ごてを使いながら、裏側のピンの半田を吸い取っていきます。

半田吸い取り線とか半田ごてもamazonで購入できます。

僕は手持ちのものがあったのでそれを使いました。

 

26年前の半田なので、なかなか取れにくいのかなと思いましたが、割と簡単に吸い取れました。

電池に熱を与えると爆発すると書いてあるブログが結構ありましたが、素早くやれば問題ないです。結局新しい電池を半田で取り付けるときに同じような状況になるので、素早くできれば大丈夫です。

電池が外れました。今度は左上の穴の部分にハネ付きの新しい電池を取り付ける作業になります。向きを間違えないようにしましょう!

表面から見て、ハネが下側になるようにセットします。

裏面はこんな感じです。ハネが少し出ますので、ここを半田づけします。

こちらが半田づけ完了した状態です。

数分待って熱が冷めたら、ケースの中に戻してあげて、特殊ネジを締め直し完成です!!

残念ながらハードを持っていないので動作確認がまだ出来ていないですが、おそらく大丈夫でしょう!

今夜納品しつつ動作確認を行う予定です。

いかがでしょうか。意外と簡単に出来そうですよね?

1本だけということでしたらうちみたいなところや業者に頼んだほうが安かったりしますが、複数本復活させたいソフトがあるなんて方は工具を揃えて自分でやってみてもいいかもしれません。

それに自分で直したソフトは以前よりも愛着が沸くと思いますよ!

 

SDカードを誤ってフォーマットしてしまった!無料で自力復旧してみた。

PVロケを終えていざ編集!!

とSDカード内を確認したところ…撮影したはずのデータがない!!

誤ってフォーマットしてしまっていました。

クライアントさんには貴重な時間を割いて早朝からロケをさせてもらい、

酷暑の中にも関わらず数時間歩いてもらったりクソ暑いのに笑顔を作ってもらったりしたのに、撮れてませんでしたなんてありえない…

冷や汗をかきながらなんとか復旧できないものかと調べると、

有料ソフトで復旧が出来そうという情報を発見。

見つけたのがこちら。

Easus Backup & Recovery

まずは無料版で試してみたところ、ファイル名が見える!よかった!

1万円くらいするソフトですが、かけがえのないファイルを取り戻すために即支払い。

しかし実際にやってみると、ファイル名は見えるもののファイルサイズが100kBくらいになっていて復旧不可能…

僕の1万円返してください…

問い合わせ窓口に連絡し、ダメ元でデータが復旧できなかったので返金してほしいと言ってみたら、いろいろと状況を聞かれる。すると、

おそらくそれはうちのエンジニアがやれば復旧できるはずだ

との事!!すごいですね!プロはやっぱり違いますね!!

その後TeamViewerというPCを遠隔でリモートコントロール出来るソフトをインストールしておいてくれと言われるが、これは普段使っているソフトなのですでにインストールしてあった。

しばらくするとおそらく中国人のエンジニアが自分のPCにリモートでログインしてきた。

英語のやり取りでSDカードを繋いだ状態にしておいてくれと言われ、また、復旧に必要なツールを一つだけインストールさせてほしいと言われる。ちょっと怖かったが、WinHexという普通のバイナリエディタだったので許可。

SDカードをWinHex上から見ていき、特定のアドレスや特定の数列を検索して繋ぎ合わせ、ファイルとしてavi拡張子をつけて出力しているようだ。

15分ほど作業を眺めていると一つのファイルが作成された。

それを再生してみると…なんと!!復旧できている!!

まぎれもなく欲しかったあのファイルである!!

どうもありがとう!!!と感謝の意を伝えまくる。

そしてファイルはあと20個くらいあると思うから、よろしく頼みます!!

と伝えたところ、これ以上の復旧は有料になります。大体1ファイル1500円くらい、との事。

よくできた商売だ…

こうして1つのファイルがよみがえったのを目の当たりにすると、

3万円で大事な残りのファイルが全て復旧するというのがとても安く感じてしまう…

たださすがに即決は出来ず、少し考えさせてくれと伝えると

彼はもしやる場合はここに連絡をくれとメールアドレスを書き残し去って行った。

さてどうするか…

彼がここ15分くらいでやっていたことを同じようにやれば残りのファイルも復旧できるはずなのに、何をやっているのか覚えるつもりが全くなかったため、全然わからない。

ただそんなに難しくないことは確かなのだ。

WinHexに残された検索履歴だけを手掛かりに、Google先生に聞きまくるしかない。

残されていた検索履歴には

「mdat」「ftyp」とある。

「mdat」は多分データ?で「ftyp」は多分ファイルタイプと思われる。

これは彼がSDカード内のデータでこの文字列がある場所を検索していたのだから、とても重要な文字列に違いない。

「ftyp」を検索してみると、どうやらファイルのヘッダ情報が記載されているようで、人間が読める文字列的なものが後に記載されている。

「mdat」の方は、その後にランダムなバイナリデータが記載されているようだ。

次に彼の復旧したデータの中身もバイナリエディタで確認したところ、「ftyp」+「その他のヘッダ情報」+「mdat」+「バイナリデータ(多分動画データ)」という構成になっていることがわかる。

つまり!「ftyp」を検索してそのアドレスから次の「ftyp」までのデータを切り取り、avi拡張子を付けてファイルに出力すればよいのではないか?

…ダメでした。ファイルが壊れていて開けないとのこと。

もう一度彼の復旧したデータを見てみる。ここでひとつ気が付く。

彼の復旧した「ftyp」のデータはそのあとにある「mdat」のデータよりもSDカード上で後ろのアドレスにある!!

つまりSDカードのアドレス先頭から検索して最初に「mdat」を見つけて、そのデータを全てコピーし、その「mdat」から続いて「ftyp」を検索してそこから次の「mdat」までをコピーし、先ほどコピーした「mdat」の前に貼り付けるといいのではないか?(分かりづらくてすみません)

復旧できた!!!!

これを20ファイル分繰り返すのか、確かに1ファイル1500円くらい欲しい作業かもしれない…と思いながらも1つずつ復旧していく。

フォーマット後に少し他の撮影をしてしまったため一部上書きされており、3ファイルくらいは復旧できなかったものの、ほとんどのデータを復旧することが出来た。

このスキルを身につけるために1万円払ったと思えば、安い…かな?

いやいや、ちゃんとデータはバックアップしてからフォーマットするようにしよう。

 

この復旧したデータはUnwave / 一番目に のPVで使用されています。

昼の公園でボーカルのFRAMとAyanoを撮ったシーンです。

 

※このSDカード上のデータ構成はPanasonic DC-GH5でしか通用しないものと思われます。でもPanasonicなら全部いけるかも?他メーカーは多分違う構成になっているはずですが、基本的にはmp4のコンテナ構成は一緒なので頑張ればいけると思います。

教訓:データの取り扱いには十分気を付けましょう!!!